対象：歯学部3年生および歯学研究に興味のある長崎大学歯学部学生すべて
アメリカ歯科医師会(ADA)主催によるスチューデント・クリニシャン・プログラム(SCP)は現在，世界34ケ国からの代表が参加する，歯科学生による研究の実践発表プログラムです．毎年１回５月に募集があり，８月に東京市ヶ谷の新歯科医師会館で日本代表選抜大会が催されます．優勝者はアメリカフィラデルフィアで開催されるADA年次大会に招待されます．歯学部学生であることだけが参加の条件で，これまでの参加者は各自の貴重な体験とともに，他大学関係者との交流を高く評価しています．
SCPは「全歯体」「ロボコン」「数学オリンピック」等に相当する「歯科研究版」といえ，歯学部学生にとっては青春をかけるに足る貴重な体験となるでしょう．
口腔分子生化学分野では，生化学，分子生物学的手法を含め，種々の研究環境を提供します．自由な発想のもと，歯科臨床および基礎分野での研究課題への取り組みを強力に支援します．
大学院へ来たれ！
歯学部での６年間は永い！ さらに臨床研修医として１年． 若い君たちには，歯科医師への道のりは一見とてつもなく永く感じられるかもしれません．でも，いったん国家試験に合格し，歯科医師として仕事を始めれば，一生（希望し，状況が許せば）歯科医師を続ける事になるのです．卒後は「特別のスキルや哲学を持った歯科医師」として活躍したくありませんか？ 他の学部でも同じですが，特別のスキルや哲学を身につけるには大学院に進学し，研究の実際をかいま見ることが大切です．そこには”Another
World”が広がっています． 今，日本で早急に求められているのは，「思考する自立した人間」だと思うのです．
独創的に，何かを生産する人になることは意外と難しく，大学学部までの教育において，それらに繋がる方策を学び切るのは，多くの場合できないのが現状です．大学院で行う研究は，まさに思考し自立した人間になるための歩みであり，若い君たちの飛躍に繋がることでしょう．そのための大学院の４年間は永いでしょうか？ 歯学研究，生命科学研究に興味があり，意欲のある人は研究室へお越し下さい．
他学部出身者も大学卒業後，２年間の研究歴（修士を含む）を有していれば入学可能です．また，勤務しながら大学院生となる社会人大学院の制度もあります．
[SCPおよび大学院に関する連絡・問い合わせ先]
〒852-8588 長崎市坂本1-7-1
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
根本 孝幸
TEL: 095-849-7640,
FAX: 095-849-7642
e-mail:
tnemoto@nagasaki-u.ac.jp
2001-2005年度 当研究室関連の学位論文
取得者(主専攻，身分・職階等は2006年7月現在)
Tanaka
E.（旧 口腔生化学，アメリカ留学), Nemoto
T. K., and Ono T. Liberation of the intra-molecular
interaction as the mechanism of heat-induced activation of HSP90 molecular
chaperone. European Journal of Biochemistry 268 (20), 5270-5277
(2001)
Ohba
S.（旧 口腔外科学第二，大学助手), Baba
T. T., Nemoto T. K., and Inokuchi T. Expression
of Hsp47 in fibroblasts derived from fetal and neonatal rat tongues.
Japanese Journal of Oral Biology 44 (6) 151-158 (2002)
Matsumoto
S.（旧 麻酔科/口腔外科学第一，歯科医院勤務), Tanaka
E., Nemoto T. K., Ono T., Takagi T., Imai J., Kimura Y., Yahara I., Kobayakawa
T., Ayuse T., Oi K., and Mizuno A. Interaction
between the N-terminal and middle regions is essential for the in vivo
function of HSP90 molecular chaperone. Journal of Biological Chemistry
277, 34959-34966 (2002)
Wang,
Z.-L.（旧 口腔外科学第二，上海同済大学教授), Inokuchi,
T., Ikeda, H., Baba T.T., Uehara M., Kamasaki N., Sano K., Nemoto T. K.,
and Taguchi T. Collagen-binding molecular
chaperone HSP47 expression during healing of fetal skin wounds.
International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery 31, 179-184 (2002)
Yamada
S.（旧 口腔外科学第一，大学助手), Ono
T., Mizuno A., and Nemoto T. K. Hydrophobic
segment within the C-terminal domain is essential for both client-binding
and dimer formation of HSP90 molecular chaperone. European Journal
of Biochemistry 270 (1), 146-154 (2003)
Kawano
T.（旧 口腔外科学第一，大学助手), Kobayakawa
T., Fukuma Y., Yukitake H., Kikuchi Y., Shoji M., Nakayama K., Mizuno A.,
and Nemoto T. K. A comprehensive study
on the immunological reactivity of Hsp90 molecular chaperone. Journal
of Biochemistry 136, 711-722 (2004)
Kishimoto
J.（旧 口腔外科学第一，大学助手), Fukuma
Y., Mizuno A., and Nemoto T.K. Identification
of the penta-peptide constituting a dominant epitope common to all eukaryotic
Hsp90 molecular chaperone. Cell Stress
and Chaperones 10 (4), 296-311 (2005)